高松 徳男 展 Norio Takamatsu Exhibition
@ THE blank GALLERY
自らの存在理由という壮大なテーマに、正直すぎるほど純粋に向き合い、自問自答を繰り返し、表現の壁に何度もぶつかりながら、それでもアートに希望を求め続けるアーティスト、高松徳男。それでいて、呆れるほどマイペースで、己の世界観を決して譲らない孤高のアーティスト、高松徳男。高松が残し続けて来た作品が日の目を見ずに燃えてしまう前に、THE blank GALLERYにて高松徳男展を開催します。
本展では、2004年から2016年までのペインティングからピックアップした作品のほか、デジタルコラージュのプリント作品、代表作をまとめたzineなどを発表します。キャッチーなのにつかみどころが無く、一度見たらやみつきになる高松ワールドを、存分にご堪能下さい。
会期:2016年7月2日(土)~18日(月・祝)
オープニング:7月2日(土)18:00~20:00 ※18時開場
高松が参加するアーティストグループ「最高記念室」のライブペイント予定
最高記念室 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E9%AB%98%E8%A8%98%E5%BF%B5%E5%AE%A4
(以下、アーティスト本人によるステートメント。誤字脱字が目立ちますが、意図的なのか判断が難しいので、そのまま掲載します。)
多少文章が長く、支離滅裂に感じると思われますができれば読んでいただきたい。
エジプト古代遺跡やパリテノン神殿またはその彫刻や宝物の意匠。日本における土偶、縄文土器。インディアン,アイヌ、アフリカ等の民族の魔除けのデザイン。ベルサイユ宮殿、官位の紋章。家紋。葛飾北斎。ピカソ。
そんな壮大な美術などよりも、ジャンボジェットを目の当たりにすると、あんなでかい鉄のかたまりが空を飛ぶのか!すごいと思う。
まったく別のジャンルだし、すごいのだけで言ったら、徳川家康だってすごいし、手塚治虫や藤子不二雄もすごいし、ダウンタウンの松本人志だってすごい。
アリだってあんな小さいのに動いている。ミジンコも…
ARTじゃなくてもいい?すごい事って何でもいいんじゃないか。とにかく、2001年9月11日の同時多発テロ以降の、2002年に大阪IMIでいろんなアーティストの話を聞いた結果そう思ってしまった。
あんな鉄のかたまりが高層ビルに突っ込んだ。そんな事柄を目の前にしてアートのむなしさを感じた。が、いつアートをやめてもいいと思えるようになった。
ただ人は忘れる。戦争もわすれる。楽しかった記憶もほとんど忘れる。
写真だけはとっていた。忘れないように。大事な家族や恋人をとる。記録として。
でも人は死ぬ。自分が死んでも写真は残る。が死んだら自分はいない。
自分がいないそれ以後の世界にロマンをもとめるかどうか。後世に伝えるため。
しかし、基本とりたいという欲求でとる。上記のような事はほとんど撮った後で考える事。
自分が写真を撮る理由は、自分が生きた証を残したいから。自分が生きている事を別の人にもわかってほしいから。
ノイエザハリヒカイト(新即物主義)、ドイツロマン派から進化。今ここにいる私が見ている風景。の表現。自分がこの位置からこの風景をみている事がわかるように撮影する。構図だけではなく、リアルさの追求。このことはこれ以上うまく言葉で表現できないが、ウジェーヌ・アジェの井戸を撮った写真がそうである。現代では70年代中平、森山、荒木、90年代ホンマタカシ、佐内正史の写真をみれば理解できると思う。何でもない犯行現場のような写真。理解できない人は普通の写真だと言う。
私がその時間この場所にいた事の証。としての写真。中平の写真は、それに加え撮影されて物がとても美しい。乞食のおじさんを撮っていて、さすがに見た目は美しいと言えないおじさんでが、聖人君子的に感じたり、寝ている足だけ撮影されたものは、見ている側にリアルにせまって来る。しかも縦長の写真で。
彼が「なぜ植物図鑑か」という自身の著書の中で、撮影の手法として「自分が石となり世界をとらえる」的な事を言っている。無意識の中にリアルが生まれるという事なのだが、それだけでは収まらない深さがあった。中平が現役だった当時、沖縄の文化や抱えている問題を本気で考えていたであろう彼は、言葉の人でもあった為、いろいろなストレスで失語症になってしまったが、彼の存在は自分にとて、なくてはならない存在であると同時に、彼がいるからこそ自分ができる表現はそれを何倍も薄めた、思わせぶりな世界しか表現できない事を痛感した。人間が小さすぎた。石になる事しか考えなかったら、自分が石みたいにかたまって身動きが取れなくなった。頭でっかちになった。ブックオフで立ち読みするしかなかった。
捨てる神あればヒロう神あり。
ブックオフでイラストレーションという光が私を照らし出した。ヒロ杉山という人の特集を見るとなんだかわくわくした。そこからイラスト→絵画へと進んでいった。
しかし、絵画でも写真と同じ壁にぶちあたった。オレがやらなくても誰かやる。同じような事を考えているヤツがいっぱいいる。しかも自分のクオリティーは過去の巨匠と言われるアーティストとはほど遠い。自分にできる事はほとんどない。
そんな事思っていた2009年、久しぶりに大阪のIMIで本格的に写真について教わった、畠山直哉氏に偶然あるパーティーで出会った。
写真から絵に転向した事を報告し、自分には一流アーチストと肩を並べる程の力量はなく、細々と好きな絵を描いていると言うと、少し先生はすこし酔っていおられ、手のひらを広げて、時間軸を作り、歴史という長い時間軸の中で、時代のアートが生まれている。と空を切るように手の甲で段々に時代時代をさししめし、最後に現在の今のこの時代にやれることやれば良いんだよ。と言ってくれた。
いまはその言葉もわすれて、また細々と気が向いた時に絵を描いているのだが、
やめる気には決してならない。
ここまでの文章は2011年に書いたものである。
だが、そこからまたさらに時は過ぎ2015年のサマーソニック以来ほとんど絵を描けていない。2014年に結石で死ぬ思いをし、自分がいなくなる前にやりたい事をやっておきたいと考えるようになった。
今回は、これまでの作品が日の目を見ずに燃えてしまう前に、写真から絵に転向してから今までの作品をピックアップしてお見せしたい。
これまでの作品のスタイルの追求を世に晒し次への糧としたい。
The blank Gallary ありがとう。
2016年 高松徳男
高松 徳男 Norio Takamatsu
1978年 兵庫県生まれ
2000年 帝塚山大学教養学部卒業
2002年 インターメディウム研究所「IMI」大学院講座 写真コース終了
2004年 パレットクラブ卒業(原田治氏主宰)
受賞歴
2001年 アサヒカメラ月例コンテスト カラープリント1位
2004年 リクルート主催 第22回グラフィックアート『ひとつぼ展』入選
2009年 リクルート主催 第1回グラフィック『1_WALL』入選
活動歴
1998年 塩江国際青年芸術祭参加(香川)
1999年 Young Japanese Photographers 10(奈良)
2011年 千代田アンデパンダン展 出品
2012年 リクルート ガーディアンガーデン ウェブギャラリー10月号
2013年 棚ガレリ・namGallery 同時開催 個展「1985年の ゲイラカイト」
THE blank GALLERY “POSSIBLY TALENTED Vol.5” 参加
ターナーギャラリー 『春のカド』出品
トーキョー カルチャート by ビームス(原宿)にて、初となる最高記念室
(自身を含む4人のユニット)によるエキジビション「最高記念室」を開催
2015年 サマーソニック SONICART 参加 “Here is ZINE Tokyo 11”参加
fmにて「最高記念室」を開催
2016年 “Hills ZINE Market”参加
その他
雑誌ミュージックマガジンのイラストレーション
店舗看板、ロゴ、Tシャツ等のデザインも手がける
THE blank GALLERY
東京都渋谷区神宮前3-21-6 大崎ビル3F
http://www.the-blank-gallery.com/
営業時間
平日 13:00-19:00 (平日 月・木 休廊)※7月18日(月・祝)は営業
土日祝 12:00-19:00